はじめに
大学生活のなかで、春休みや夏休みといった約2ヶ月ほどの長期休暇は貴重な自由時間です。その期間を利用して、「海外に行ってみたい」「英語を少しでも話せるようになりたい」と短期留学を考える人も少なくないでしょう。
しかし、いざ調べ始めると「どの国が自分に合っているんだろう?」「留学エージェントってたくさんあるけど、どれを選べばいいの?」と悩むことも多いのではないでしょうか。
この記事では、短期語学留学の特徴から留学先やエージェントの選び方まで、大学生がスムーズに留学準備を進められるように、役立つ情報をまとめてご紹介します。
短期語学留学(1週間〜3ヶ月程度)の特徴
短期語学留学とは、1週間〜3ヶ月程度の比較的短い期間で英語を学ぶプログラムのことです。
特徴
- 旅行感覚で気軽に行ける
- 英語に「慣れる」ことが目的
- 費用は比較的安い
候補の国
- フィリピン
- マルタ
- オーストラリア
- カナダ
- アメリカ
- イギリス
留学先の選び方
1. 行きたい国かどうか
留学先を選ぶ際は、単に有名だからという理由だけでなく、「行ってみたい」と感じる国かどうかを大切にしましょう。英語圏だけでも文化や雰囲気は大きく異なります。たとえば、イギリスとオーストラリアでは発音や気候、人々の雰囲気も違います。
大学の専攻と関連がある国であれば学習意欲も高まりやすいですし、文化に強い関心がある国なら、語学以外にも多くの刺激が得られます。まずは、「自分がその国でどんな体験をしたいか」をイメージすることから始めましょう。
2. どのような英語を身に付けたいか
英語は国ごとに発音や語彙、表現が異なります。アメリカ英語は国際的に広く使われ、ビジネスやアカデミックに強いです。イギリス英語は伝統的で上品な表現が特徴。カナダ英語は聞き取りやすく親しみやすい発音が魅力で、オーストラリア英語はカジュアルで実践的な日常会話に適しています。留学先によって身につく英語のスタイルが変わるため、目的に合った国選びが重要です。
🇺🇸 アメリカ:グローバルスタンダードな英語を身につけたい人向け
- 特徴:アメリカ英語(American English)は世界中で広く使われており、発音・表現ともに「国際標準」と見なされやすい傾向があります。語彙や発音がクリアで、教材や映画、ニュースなど多くのメディアで使われています。
- 身につく英語:ビジネス・アカデミック・日常英会話まで幅広く対応。発音も比較的クセが少なく、TOEICやTOEFLのモデル音声もアメリカ英語がベース。
- おすすめな人:将来、外資系企業や国際ビジネスの場で働きたい人/アメリカの大学進学を視野に入れている人。
🇨🇦 カナダ:聞き取りやすい発音+親しみやすい英語を学びたい人向け
- 特徴:カナダ英語はアメリカ英語に近く、発音がとても聞き取りやすいと言われています。また、文法や語彙の一部はイギリス英語由来のものもあり、バランスが良いです。
- 身につく英語:アメリカ英語ベースでありながら、柔らかく穏やかな発音が特徴。発音の癖が少なく、学習しやすい。
- おすすめな人:落ち着いた環境で自然に英語を身につけたい人/聞き取りやすい発音でリスニング力を伸ばしたい人。
🇬🇧 イギリス:品のあるブリティッシュイングリッシュを学びたい人向け
- 特徴:イギリス英語(British English)は、アメリカ英語と比べて発音・スペル・語彙に違いがあります。上品で歴史ある印象を与える一方、地域によるアクセントの差も大きいです。
- 身につく英語:BBC英語とも呼ばれるRP(Received Pronunciation)や、比較的伝統的な表現。英語圏の原点に触れられる。
- おすすめな人:英文学や歴史・文化に興味がある人/ヨーロッパ圏で働きたい人/イギリスの大学院などを目指す人。
🇦🇺 オーストラリア:カジュアルかつ実践的な英語を身につけたい人向け
- 特徴:オーストラリア英語(Australian English)は発音に特徴があり、やや早口でカジュアルな表現が多めです。一方で、実生活に密着した実践的な英語を学べる環境です。
- 身につく英語:現地のスラングや日常会話に強くなれる。英語の「慣れ」と「実用性」を高めやすい。
- おすすめな人:日常会話を中心に学びたい人/自然やアウトドアが好きで、現地の人とアクティブに関わりたい人。
3. 費用
留学費用は国によって大きく異なり、特に物価や滞在費、授業料が影響します。フィリピンやマルタなどは費用を抑えやすい傾向があります。一方、アメリカやイギリスは質の高い語学学校が多い反面、総額で数十万円以上かかることも珍しくありません。
航空券やビザの有無、現地での生活費なども含めて総予算を算出し、「何にどれくらいお金がかかるのか」を明確にすることで、無理のないプランを立てることができます。奨学金制度の有無も確認しておくと良いでしょう。
4. 授業スタイルと学校の質
語学学校はそれぞれ授業の進め方やカリキュラムに違いがあります。たとえば、マンツーマン授業が多いフィリピンでは初心者でもしっかり話す機会が得られる一方、欧米圏ではグループレッスンが一般的で、発言の機会は自分次第です。また、試験対策や会話中心など、プログラム内容も学校によって異なります。
質の高い授業を受けたいなら、過去の口コミや卒業生の体験談をチェックし、教師の質やサポート体制を確認しましょう。目的に合った学習環境を選ぶことが、留学の充実度を左右します。
5. 治安と生活環境
海外では、日本と比べて治安や生活習慣にギャップを感じることもあります。留学先を選ぶ際は、「夜間の治安はどうか」「公共交通機関は安全か」「生活コストは高すぎないか」などを事前にリサーチしましょう。
また、あえて日本人が少ない環境を選びたい場合は、行こうとしている学校に、どれくらいの日本人がいるかを確認することが大事です。パンフレットに書いてある場合もありますし、書いていなければエージェントに聞いてみてください。初めての留学であれば、日本語対応があるエリアやサポートが受けられる地域を選ぶのも一つの手です。不安を減らし、現地生活を楽しむために、環境面の確認はしっかりと行いましょう。
留学エージェントの選び方
1. 留学の目的に合っているか
語学力を上げたいのか、海外生活を体験したいのか、将来的な進学や就職を見据えているのか。エージェント選びでは、まず自分の目的を明確にし、それに合ったプランを提案してくれるかを確認しましょう。
たとえば「英語初心者の大学生向け」「英語+観光プラン」「資格取得特化型」など、エージェントによって得意分野や紹介できるプログラムは異なります。カウンセリングでこちらの話をしっかり聞き、要望を丁寧にヒアリングしてくれるエージェントであれば、信頼して進めやすいでしょう。
2. 学校の紹介が偏っていないか
一部のエージェントは提携している学校にのみ生徒を送ることで紹介料を得ているため、選択肢が狭まる可能性があります。公平な立場で複数の語学学校を紹介してくれるかどうかが重要です。もし紹介される学校が毎回同じで、こちらの希望に合っていない場合は、その理由を確認しましょう。
エージェントが特定の学校に偏っていないか見極めるためには、複数のカウンセリングを受けて比較することが有効です。紹介先が豊富であれば、それだけ自分に合うプランを見つけやすくなります。
3. サポート内容と自由度
エージェントによっては、留学の手続きや航空券、ビザの取得、保険の手配まで「すべて代行する」スタイルもあれば、自分で選択肢をカスタマイズできる自由度重視のエージェントもあります。サポートの範囲が自分の希望と合っているかどうかは非常に重要です。
「自分で調べたいけど、最低限のサポートはほしい」「全部おまかせしたい」など、自分のスタイルに合う形で支援してくれるかを確認しましょう。また、サポートの内容が明確に提示されているか、追加料金の有無などもチェックしておくと安心です。
4. 現地サポートの有無
渡航後にトラブルや不安があった際、現地でサポートを受けられるかどうかは心の支えになります。特に初めて海外に行く人にとって、現地オフィスの存在や日本語での緊急対応があるかどうかは非常に重要です。学校選びの段階では見えにくい部分ですが、万が一の際にどんな支援を受けられるのかは必ず確認しましょう。
また、現地でのオリエンテーションや生活相談、病院の付き添いなどが含まれているかもチェックポイントです。安心して学べる環境を整えるために、サポート体制は十分に確認を。
滞在スタイルの選び方|どんな生活を送りたい?
1. ホストファミリー(ホームステイ)
おすすめな人:現地の文化を体験したい、英語を日常で使いたい人
- 現地家庭に滞在し、英語を話す機会が増える
- 食事付きで生活面の不安が少ない
- 家庭のルールに従う必要あり
2. 学生寮・レジデンス
おすすめな人:自由な生活を重視したい人、同年代と交流したい人
- 学校近くで通学が便利
- 友人ができやすく、生活リズムも合いやすい
- 設備をシェアするため、静かな環境が欲しい人には不向き
3. その他(ホテル・Airbnb・アパートなど)
おすすめな人:完全なプライベート空間がほしい人、家族・友人との滞在を希望する人
- 生活を完全に自分で管理できる
- 費用は高くなりがち
- 留学生向けサポートが受けられない場合も
留学エージェント
留学スクエア
留学スクエアは、広島を拠点とする留学エージェントで、大学生を中心に短期から中長期の語学留学をサポートしています。同社の特徴は、語学学校の手配手続きが無料で提供される点です。これは、提携先の語学学校からの紹介手数料を収益源としているため、手数料を顧客に請求する必要がないからです。また、留学スクエアでは、銀行の為替レートよりも有利な自社優遇レートを適用し、留学費用を抑えることができます。広島にオフィスを構え、全国からの相談に対応しており、対面相談やオンラインでのカウンセリングも行っています。
EF(Education First)
EF(Education First)は、世界的に有名な語学留学と国際交流の専門機関で、1965年の創業以来、世界各地で幅広い留学プログラムを提供しています。語学留学だけでなく、文化交流や海外インターンシップ、さらにはオンライン英語学習など、多彩なサービスが特徴です。
特に学生向けには、安心のサポート体制と充実した現地サービスが魅力で、世界50カ国以上に自社校を展開。最新の教育メソッドを取り入れたカリキュラムで、初心者から上級者まで幅広く対応しています。留学を通じて英語力だけでなく、国際感覚や自己成長も重視したい大学生におすすめの総合留学サービスです。
留学ジャーナル
留学ジャーナルは、創業30年以上の歴史を持つ老舗の留学エージェントで、大学生を中心に幅広い年代の留学希望者から高い信頼を集めています。多彩な国・地域の語学留学、大学進学、ワーキングホリデー、専門留学まで幅広く対応。豊富な実績をもとに、一人ひとりの目的や予算に合った最適なプランを提案します。
また、経験豊富なカウンセラーによるきめ細やかなサポートや、現地でのトラブルにも対応できる現地サポート体制が整っているのが特徴です。留学情報誌『留学ジャーナル』の発行も行い、最新の留学情報が得られる点も魅力です。安心して留学準備を進めたい大学生におすすめのエージェントです。
ウィッシュインターナショナル(WISH)
ウィッシュインターナショナル(WISH)は、1987年に設立された留学エージェントで、これまでに10万人以上の留学をサポートしてきた実績があります。「はじめての留学」を応援することを理念とし、大学生を中心に、語学留学、ワーキングホリデー、高校・大学留学、インターンシップ、専門留学など、多岐にわたるプログラムを提供しています。
WISHの特徴は、出発前のカウンセリングから帰国後の就職・転職サポートまで、トータルでサポートを行っている点です。担当カウンセラーが一貫してサポートし、留学中は海外10ヵ国21都市にあるサポートオフィスで日本人スタッフが常駐し、24時間の緊急対応も行っています。また、帰国後は「CLUB WISH」という留学コミュニティを通じて、経験者同士の交流や情報共有の場を提供しています。
アフィニティ(Affinity)
アフィニティ(Affinity)は1978年に設立された日本の留学エージェントで、世界各国に拠点を持ち、様々な言語を学びたい人をサポートします。専任スタッフがつき、マンツーマンでサポートをしてもらえます。
特にカナダを中心とした留学・ワーキングホリデーのサポートに強みを持っています。現地オフィスをバンクーバーに構え、語学留学からキャリア支援、移住サポートまで幅広いサービスを提供しています。2000校以上の教育機関と提携しており、正規代理店として最新の情報を提供しています。
おわりに
短期留学は、大学生活のなかで海外に踏み出す第一歩として最適な体験です。そして、国選びやエージェント選びは、充実した留学ライフを送るために重要です。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分の目的や条件に合ったプランを見つけて、実りある留学を実現してください。準備をしっかり進めれば、語学だけでなく自信や価値観の変化といった、かけがえのない経験が得られるはずです。